効き目の遅い頭痛薬 / 敗北してから現れるヒーロー
a girl like you 森へ往く方法/ 森から出る方法
という同人誌を買うために、立川のメロンブックスまで行った。内容は素晴らしかった。思ってた10倍は良かった。
けむほこという人は天才だと思う。日常という不可逆の流れは、どんなに特別だったことも、刺すような喜びも、痛いほどの悲しみも、すべてきれいに押し流してだんだんと忘れてしまうようにできているのだから、
何よりも特別な今この瞬間を、それが至上なものとして、何度でも思い返せるように焼き付けておかなければならないんだという
その感性はとても共感できるものだし、何よりこの本の中で描かれる二人のやりとりが一つ残らずスクラップして、アルバムに挟んでおきたくなるほど微笑ましい。
模造クリスタルのゲーム部では、ある日最悪のことが起こってもその瞬間は死にたくなるほどに気が滅入るけど、日常の流れが全て押し流して元どおりの生活に戻っていく様をある種の救いのように描いていたが、確かにそれは忘れたいことだけではなく
忘れたくないこと、忘れてはいけないことまで
日常の無常の流れに流されて、のっぺりした無感動なものになってしまうのだ。
疲れてしまった時は何かしようと躍起にならず
よく寝て、よく考えられるようにしないと。
そして毎日の代わり映えしない一瞬一瞬をよく目に焼き付けて、後から思い出せるようにしないとなあ
と思った次第。